ダンサーNAO BROWNインタビュー3☆振り付けのヒラメキとMillennium &1 Million体験

  

HipHopダンサーNAO BROWNさんのインタビュー第3弾。ムーブを模索することで表現してゆくダンサーの核心に迫ります。

振り付けは印象を大切に

NAOさんは、ダンサーであると同時に振付(コレオグラフィー)も多彩に展開されています。歌に合わせるコレオグラフィーは、歌のメッセージを読み取った上でさらに解釈を広げ、それを動きに落とし込むというアートだと思うのですが、どのようにしてアイデアが出てくるのでしょうか。振り付けの喜び(苦しみ)とは? 

私が振付をする時は、まず曲を聴いて最初に聴いた時の印象やインスピレーションをそのまま取り入れます。そして、強調したい部分は音ハメをし、それでも分からない部分は歌詞を見て、歌詞に沿って振付をしていくという流れです。

Block Party - Lil Mama / NAO BROWN Choreography

https://youtu.be/URRDGx493vY

Block Party - Lil Mama 【NAO BROWN & Dohee】 ナオブラウン 振付
144 回視聴•2018/11/06
NAO BROWNナオブラチャンネル

短いけど、かっこいい動画。これとか、一発撮り感があるんですけど。あと、一緒に踊る人によってノリが変わるっていうシナジーもあるんでしょうね。

一発で振りが自分の中にすんなり落ちてくる時はすごく嬉しく、振付した物を動画で確認した時にうまくハマっているととても楽しいです。また、コレオグラフィーを生徒が活き活き楽しそうに踊ってくれるとこちらもすごく嬉しいです。
しかし、振りが全く落ちてこない時もあり、振付するのに時間がかかる時は苦しいです。そういう時は一旦考えるのをやめ、鏡の前で何も考えずにひたすらその曲に合わせて即興で踊ります。そうすると、何となく振付が浮かんできます。

 とにかく最初のひらめきが大事なようです! 

常にファースト・テイクがベスト!

 セロニアス・モンク

を思い出しました。自然に頭に浮かぶ部分は、実は意識の深い部分ですでに完成されているのかもし知れません。

異才セロニアス・モンクとWONK - Cyberspace Love

https://youtu.be/mk9yWKezKEQ

WONK - Cyberspace Love (Official Music Video)
720,057 回視聴•2017/10/25 MONKsPlayhouseVEVO チャンネル登録者数 3760人

これ、最初出た時、いったいなんなんすか? って思ったんですが、BlueNoteとWONKのモンクのアルバム記念コラボだったんですね。こういうの観ると、WONK聴くけどジャズ聴かないって人も、なるほどね~って、ジャンルを広げて聴くようになるきっかけになるんでしょうね。モンクは聴いていて面白いから、ジャズ喰わず嫌いな人とかも、とっつきやすいはず。というか、あの歪んだリズムの感じ、LoFiヒップホップに通じるところがある。「は?モンク?」って方は、”BAGS GROOVE”からどうぞ。6:48からのピアノ・ソロが踏み絵でございます。「ヘンだけどいいね」、って思った方、おめでとうございます! モンクのピアノは全部ヘンで、そこが可愛いので全て聴きましょうね。
WONKの荒田氏はKing Gnu常田氏と仲がいいんですね。すげえ高い次元の人同士だから話が合うのであろう。井口氏とは別の次元で。(セロニアス・モンクに至っては、高次元というより異次元。)

ところで、このアニメの作画って…『とんかつDJアゲ太郎』の人だと勝手に確信してました。はい、tokyocabin次元のコメントでした。(←作られたのは山田遼志という方で、King Gnuの"Player X”のアニメも担当。)

 Dirty Vibe Skrillex / NAO BROWN Choreography

https://youtu.be/TbaUGxtg3To

#dirtyvibechallenge Dirty Vibe Skrillex 【NAO BROWN】 ナオブラウン ダンス動画
164 回視聴•2018/10/17
NAO BROWNナオブラチャンネル

「おふざけで作ってみました」とのことですが、「おふざけ」や「お遊び」の時ほど、縛りがないだけに自由な創造ができるのではないでしょうか? だからなるべく遊んでみた方がいいんじゃない? とくにSkrillexの曲とかって、お遊び度が非常に強くて、いいですよね。

米津玄師の「Flamingo」は、「どう作ってもいい」という制約無しで作ったら予想外に大ヒットしてしまったそうです。たしかに音で”遊んでる感”が強いため、それがかえって新しい魅力を生んだのでしょう。(米津玄師作品でも「テーマの中で作った」雰囲気が強い曲、わたしは正直あんま惹かれません。はい、生意気でごめんちゃい☆)

まず「Flamingo」は、「Lemon」を作って、その後に「パプリカ」という曲をプロデュースして作って、その後に制約ゼロの曲を作れることになったんですよ。一応タイアップは付いてますけど、本当に自由にやれる環境がもらえて。最初に「何をやろうかな」って思ったんですよね。最近の自分の曲を聴き返してみて、タイアップ先と自分とのちょうど中間みたいな曲が多かったんですね。だから次の曲は自分の側だけの曲にしようかな、と。最近、いろんな米津玄師の曲がいたるところで流れて、食傷気味になるというか、「もういいよ」みたいな感じになるのも嫌だなと思って。1回またここでこういうのやってみるのもいいのかなと思って作り始めました。

「最近、いろんな米津玄師の曲がいたるところで流れて」っておっしゃってる記事の2年でも状況は同じでございますが。

Millennium (米国)が重視するパンションとスタイル

Milenium や1 Million Dance Studioにも参加されていますね。日本人の参加が薄い気がしたので、NAOさんがお出になっているのを観て嬉しかったです。

私は大学を卒業するまで、ダンスより勉学に励んできたので、大学を卒業して"職業がダンサー"である以上しっかりダンスに向き合いたいと思いから昨年ダンス留学をしました。

アメリカのMillenniumでは、ダンスを学ぶというよりはパッションの出し方、独自のスタイルの確立方法等を学べだと思います。みんな音が鳴り出したら踊って、先生のダンスの良いところを自分の物にして表現しているところがすごく刺激になりました。日本はみんが同じじゃないといけないという風潮がありますが、アメリカは本当にダンススタイル1つとっても自由で、自分が好きなスタイルを貫いていきたいと強く感じました。上には上がいて、自分はまだまだだなと感じ、もっと頑張りたいという意欲に変わりました。

Got Money-Lil Wayne / Phil Wright Choreography @Millennium

https://youtu.be/oGD6dF67QlQ

🇺🇸Millennium Dance Complex Phil Wright Choreography 【NAO BROWN】Got Money Lil Wayne ミレニアムダンスコンプレックス
419 回視聴•2019/02/13  NAO BROWNナオブラチャンネル

真っ赤な壁とシャンデリアが特徴のMillenniumはLAにあります。ここで踊ること自体が凄いことなのですが…NAOさん存分に踊られてます。しかも、わーお!あのフィル・ライト先生の振り付けですね! たしかに、こうしてみると、どの方も個性を出す方向に展開されているようです。ライト先生も、このブログでおなじみハナガミ先生も、生徒が楽しそうに踊ってるのは、自分を出してなんぼなところがあるから、己を解放せざるを得ないからなのかもしれません。(もちろんそれは高次元なダンススキルに支えられているのは言うまでもありませんが。)

1 Million (韓国)では学んだ見せ方の大切さ

韓国の1 Million Dance Studioでは、ダンスの技やスキル、見せ方を学びました。私はミレニアムよりも、ワンミリオンの方が自分のスタイルに合っていて好きでした。また何度かピックアップをしていただいて、ワンミリオンのYouTubeに載ったことがあるのですが、そのようなことがかなり自分の中でモチベーションになり、そのために頑張れました。

韓国にあって日本に足りないものの一つに”世界”を意識した観せ方なのではないでしょうか。

ダンス動画大好きなtokyocabinとしてはこの場を借りて繰り返し言いたいのですが、

ぜひ日本のダンサーの方々に海外向けのYouTube展開を意識してほしい!

ほんと、danceと検索して日本のダンサーにヒットする確率が非常に低いのですよ。今洋楽の新曲が出ると検索キーワード入れてヒットするのは、公式サイトは別としてダンス動画です。で、とにかく韓国のダンススタジオの勢いがすごくて、ずらっと並ぶのです。技術とか方向性とかいろいろあると思いますが、上位検索を意識した曲選びが大きいと思います。だって洋楽ヒット曲、絶対グローバルで検索上位だから。しかも億単位だから。でも、日本もせっかくいいダンサーの方々(NAOさんも含め)たくさんいらっしゃるんだから、ぜひ世界で観ていただきたい。そのために、海外で検索される曲で踊ってもらいたいのです…。mottainaiよ (泣)。この辺のことにつては下記の記事を参照くださいませ。

そのあたりを踏まえて、Dope曲で踊るNAOさんとか、しびぃ90年代RAPで踊る台湾のハンク・チェンとか、すごくいいと思います。

TEAM-IGGY AZALEA / Jinwoo Yoon Choreography @1MILLOIN

https://youtu.be/WJRfTF3ifc0

🇰🇷Jinwoo Yoon Choreography | TEAM IGGY AZALEA | 1MILLOINDANCESTUDIO | pickup ➡︎ NAO BROWN & Dohee
475 回視聴•2019/02/23 NAO BROWNナオブラチャンネル

おお、このグレーの壁、は1 Millionですね~! クール系のコレオグラフィーが特徴かな。とにかく、今、洋楽のヒット曲を検索すると必ずと言っていいほどYouTube上位に上がる超人気スタジオです。

とにかく先生たちも、通っているダンサーの方もすごくかっこよくて、めちゃくちゃ刺激になりました。また何人かに分けて踊る時に周りの掛け声やハイプで盛り上げてくれて、すごく楽しかったです。また韓国へはダンス留学をしに行きたいと考えています。

Roses - Chris Brown / Jinwoo Yoon Choreography @1MILLOIN

https://youtu.be/uV1Jqk1R48w

🇰🇷 Jinwoo Yoon Choreography | Roses Chris Brown | 1MILLIONDANCESTUDIO | NAO BROWN & Dohee
340 回視聴•2019/03/04 NAO BROWNナオブラチャンネル

うーん、自然な始まり方とさりげない終わり方がいいね!
たしかに1MILLOINでの体験は収穫が多かったようです。常に意欲的なNAOさんなので、動けば動くほど新たなムーブとヒラメキをゲットすることと思います。 

まとめ

ムーブするからヒラメクのか? ヒラメクからムーブするのか? おそらくヒラメキとムーブは同義! しかし、同じ踊るなら「見せなきゃ」ソンソン~♪

ダンス関連過去記事の一部 

『とんかつDJアゲ太郎』についてをTom Mishの記事で書いていた…

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tokyocabin