『習得への情熱-チェスから武術へ』(ジョッシュ・ウェイツキン)◇奥義はまたしても…

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自分が進む道において上達したい。

誰だったそう思いますよね?
上達にはコツがあるみたいですよ。
知りたいですよね?

 

 

2 ジョッシュ・ウェイツキンって誰?

全米ジュニアチェス選手権2年連続優勝者
中華杯国際太極拳選手権推手2部門制覇
ブラジリアン柔術黒帯

映画化された『ボビー・フィッシャーを探して』は
彼をモデルにして父親が執筆


3 何が書いてあるの?

「一芸は万芸に通ず」宮本武蔵

チェスという知の格闘技で培った精神力と
それを陶冶する方法は、
武術にも通ずるのであった。

 

4 一押しする理由!

名著『上達の法則』(岡本浩一)の
エキサイティングな実践編として
「上達道」の奥義を楽しく学べます。

チェスや武術に親しんでなくても
面白く読めます。
そのさいはテクニカルな描写は
すっ飛ばしましょう。

武術に親しんでいる方には、
高等心理戦で世界を制した
彼の分析とメンタルトレーニングを
より深くデコードできて面白いでしょう。

 

5 心に残った言葉

ご注意:

この本は少なくとも私にとっては
あまりにも役に立つことが多く、
到底全てはここで網羅しきれません。

 

<根本的な心構え=求道>

p.43 (引用ではなく、まとめ)

発達心理学

実態理論(entity theory)

親が無気力誘導型の指導をする
「まあ、いい子ね! なんて頭がいいの!」
「きっと遺伝ね」

子供は能力は先天的なものと思い込む
「自分はこれが得意だ」
「これを解けるほど自分は賢くない」


増大理論 (increacemental theroy)

親が習得思考型の指導
「よく努力したね」

子供は、自分は学びの途上にあるだと考える
「頑張って取り組んだおかげだ」
「もっと努力しよう」

 

この二つの考え方の違い、
微妙だけど重要です。
ちなみに、わたしは
実態理論に支配されて苦しんでおりましたが、
最近はだいぶ治りました。
実態理論はリミッターかけちゃうから、
変化に対応できなくて苦しいんです。

イップ・マンを見てから
師父(シーフー)という言葉が
とても好きになりましたが、
この師という考え方は、
増大理論 ですよね。
師とは絶対的に手の届かない神ではなく、
模範として目指せる対象なわけですから。


p.223

サンダルを作る

岩場の道を歩くためには、
その道をことごとく革で覆うか、
サンダルを作るか、
二つの方法がある。
−−インドのことわざ

第一段階は、
風に吹かれる草の葉のように、
自分の気を散らせるものを柔軟に
受け流せるようになること。
第二段階は、
自分の気を散らすものを利用して、
本来は試合を台無しになる根源だったそれを
インスピレーションの源に変えること。
そして最終段階は、
そういうインスピレーションを得られる状況を、
自分の心の中だけで再現できるようになること、
つまりサンダルの作り方を覚えることだ。

 

嫌なヤツや、嫌いな現象に対して
どういう態度で接するか?
深刻な問題です。

スポーツ用語で、
ソフトゾーン
ネガティブな環境などを冷静にで受け流す、
あるいは受け入れる心理状態
ハードゾーン
ネガティブ要素を排除する心理状態

というようです。
わたしはまともに反応、怒る、無視する、
そして自滅する。
完全なハードゾーン状態です。
そんな自分を変えたいです。
(そんな願いから『スルーする技術』を読んだんですよ)

 

setsuyaku-mile.hatenablog.com

 


<トレーニングの方法論>

p.7

数を忘れるための
型を忘れるための型

…テクニックや原理や定石が
自分の無意識と一体化するまで
徹底的に学ぶ習慣

 

p.206

ストレス・アンド・リカバリー
=インターバル・トレーニング
長期的に安定したパフォーマンスを得るために大切な基礎


p.125

負の投資

推手を学ぶ者にとって最も難しいチャレンジの一つは、
少なくとも抵抗しないすべを学んでいる間は、
エゴを捨てて、あちこちに投げ飛ばされまくっても
平気でいられるようになることなのだ。

成長するためには、今持っている考えを捨て去る

必要がある。
いずれ勝てるようになるために、

今は負けなければならない。

 

p.250

より小さな円を描く

一つの技術やアイデアだけを用いて、
そのエッセンスが感じられるようになるまで練習を

繰り返し、
その上で、そのパワーを失わないようにしながら、
動きだけを凝縮させ、結果的にとても力強い上に
ほとんど誰の目にも見ることのできない武器が
出来上がるプロセスだ。

時間の流れを緩める

特定の技術だけを選んで、
それだけにフォーカスを当て、
自分の意識がその技術を徹底的に細かく
知覚できるようになるまで
自分の中に取り入れる。
一定の時間内により多くのものを見ることができるようになり、
まるで時間の流れが遅くなったように感じられるようになる。

この学習アプローチが素晴らしいのは、
それがどんなに小さなものであり、
ある一つの技術を徹底的に磨き上げさえすれば、
その感覚をクオリティの指標を据えて、
磨く対象をさまざまな別のものに広げていける

ところにある。
よい感覚がどんなものなのか一度わかってしまえば、
別の何かを追求する際にも、
その感覚が得られるよになることを目標にすればいい。

 

p.142

…僕は自分の知っているごく限られたことだけに
すっかり磨きをかけていた。
他のプレーヤーが大きくて華麗で
比較的実用性の薄いレパートリーを
身につけていた一方で、
僕は身体メカニズムを力強く凝縮冴える道を
選んでいた。
実施あの話、激しい競争の中で生き残れる者と言うのは、
自身の持っている技術を相手より
わずかでも深く磨いたものだ。
トップになるために必要なのは、
ミステリアスなテクニックなんかではなく、
一連の基本的技術とされているものだけを
深く熟達させることだ。
どんな分野でも深さは広さに勝る。

 

許してください、とても全部フォローできません。
ふかいーーー奥義を連発!
でも言ってることは結構シンプル。
これって「イングリッシュモンスター」にも通じるものが。

 

setsuyaku-mile.hatenablog.com

 

6 関連書など


『上達の法則 効率のよい努力を科学する』
(岡本浩一)
『習得への情熱』p.158
「チャンキングと神経経路の開墾」は
すごくこの本とかぶります。
合わせて読むことをお勧めいたします。


『道徳経』 ( 老子)
アクション俳優ウー・ジンの愛読書でもある。

 

setsuyaku-mile.hatenablog.com

T'ai Chi Classics (Waysun Liao)

『禅とオートバイ修理技術』(ロバート・M. パーシグ)

 

7 最後に


上達のコツとは?
ひとことで言うと
「インターバル・トレーニングで基礎を極めろ」
になります。

耳が痛い。
でも上達したいから今晩からやろう!