『熱誠憂国』(李登輝)◇李登輝が死んでも台湾の民衆主義は残る(ハンチントン)

 

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2014年の「ヒマワリ学生運動」、

柯文哲(かぶんてつ)の台北市長当選、
そして今年の蔡英文(さいえいぶん)
台湾総裁誕生と
激動の変遷を遂げる台湾を、
台湾民主政治の父はどのように
見ているのでしょうか?

 

 


2 李登輝って誰?


りとうき。
1923年
日本統治下の台湾に生まれる。
京都大卒後、日本陸軍入隊。
国民党員として入閣後、
台湾初直接選挙により
総統に就任。

 

3 何が書いてあるの?

 

「第二次民主革命」へと
突入した台湾を激励。
同時に、
日本のアジア戦略、
アジア全体の民主化
についても語る。

 


4 一押しする理由!


蔡英文政権誕生、
もとい
台湾の将来は、
今年93歳にして
超「未来志向」の
元総統の存在無くしては
語れません。
現役バリバリの
生メッセージ。

 


5 心に残った言葉

p.11

国民党政権は、
「九二年コンセンサス」を
台中傾斜の根拠としたが、
私はその当時、
総裁であった立場から、
このような合意は存在しないと
明確に言える。
これは、
一九九二年の香港会談において
「『一つの中国』の解釈を
(両岸が)それぞれ表明する」
という合意に達したというものだが、
全くの嘘だ。

国民党のための都合の良い
作り話である。


話せばややこしい、
限りなく曖昧模糊とした
九二共識。

www.ritouki.jp

 

ないものはないと証明するのは
「悪魔の証明」ですから、
難しいんですよね。
「従軍慰安婦」と同じ論法。


p.12

二〇一四年3月に馬政権が強引に
台湾と中国の「サービス貿易協定」の
発効をを批准しようとした時、
約三百人の学生が立法院を選挙した
ヒマワリ学生運動(太陽花学運)が起こった。
このヒマワリ学生運動の大きなうねりは、
一般の市民を巻き込んで
五十万人規模にまで膨らみ、
総督府の周りを取り囲んだ。

そして、そのヒマワリ学生運動の
中心メンバーが、
申請等「時代力量(時代の力)」を
結成し、総統選と同時に
行われた立法院選挙で
旋風を巻き起こした。

台湾における新しい民主化の潮流は、
まさに若い力によって始まったといえる。
 日本でも明治維新を実現したのは、
坂本龍馬など、若い力であった。

 

李登輝は
「今時の若者は〜」なんてぼやく隠居爺
ではありません!
ちゃんとヒマワリや時代力量を
評価し、応援していると
確認できました。
私は個人的に嬉しかったです。


p.48

尖閣諸島は日本のもの
 東シナ海の東南部に位置する
尖閣諸島は、日本のもの。
過去を紐解けば、すぐ分かることだ。
それなのにいまになって
中国が問題にするのは
おかしいことである。

 

歴史を紐解きまくっても、
聴く耳がない国には
どう対処すればいいのでしょうか?

なるほど、
歴史的にも法律的にもそうかもしれんが
でも
「核心的利益」なんで譲れませんね。

っていう相手には。

要は
「欲しいものは欲しい」
ってことですよね。
まともに相手できない。

 

三港男搶攻內地百花獎 舒淇惡鬥周迅、趙薇爭影后 | 蘋果日報 | 娛樂 | 20100921

島は島でもラマ島のことだよ〜ん!

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『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』

の記者会見におけるドニー・イェン。

尖閣の質問され

「あの島は僕達のもの」と

一旦答えつつも、
「ラーマートウワー!」
(ラマ島のことだよ〜ん!)

と笑顔で逃げる、素敵な兄貴。

 (ちなみにラマ島とは香港にある

小さな島です。

あの、チョウ・ユンファの故郷。

いいところですよ)

 

6 関連書など

 

『日台IoT同盟 第四次産業革命は
東アジアで爆発する』(講談社)

 

7 最後に


元東京知事の「厚化粧の女」発言には
失望しました。
一方、
元総裁は「す素麺のような髪型の女」
(『蔡英文の台湾
中国と向き合う女性総統』より)
とともに、民主化のさらなる流れを
熱く支援しています。

 

以下は蔡英文の総統就任式の様子。

三時間にも及ぶ式典というか国民の祭典です。

日本の総理大臣より遥かに権限があるという

台湾総統への期待と、

彼女の負う責任の重さを感じさせます。

感動的な動画です。

youtu.be


最後に『文明の衝突』の著者
ハンチントン教授の言葉を。

p.166

李登輝が死んでも台湾の民衆主義は残るが、
リー・クアンユーが死ねばその制度は
失われる

まさに、李登輝は
民主国家を育て上げた人であり、
その人が目標にしたのが
坂本龍馬であったことを
日本人は心に刻むべきでしょう。