やれやれ資本主義だが漫画ピケティ読んで、やる気のないメガロバニア

もはやベストセラー作家であらせらるる、かの若林正恭氏は、スタバで「グランデ」と頼むのは牛丼で３０歳の誕生日を乗り切った過去の自分への裏切りではないかと悩むと記しています。「やれやれ資本主義　使用済みの縦社会」®若林。
そんな流れで資本主義の問題点を考察すべく、ちょっと前に流行ったピケティの『21世紀の資本』を読みました。はい、漫画版です。

ピケティ『21世紀の資本』のキモ
- ピケティの本が画期的だった訳とは？
r>gという歴史的事実
この現実をどう生きるか？
それぞれやれることそれなりにやるしかにゃ〜い！
で、私は「やる気のないメガロバニア」を聴いていようかと。
結論
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ピケティ『21世紀の資本』のキモ

以下、あくまで漫画で読んだ得た知見なのでそのつもりでお読み下さい。でも監修が尊敬するSF翻訳の大御所山形浩生だから、そのレベルは高いのですよ！　フィリップ・K・ディックとか翻訳してる人だから、当然未来志向です。

ピケティの本が画期的だった訳とは？

従来の経済学のように数式による計算ではなく、歴史の実態としての貧富の差を研究した。200年以上のデータを15年かけて調査研究した成果が『21世紀の資本』。

その結果以下を発見しました。

r>gという歴史的事実

r(資本収益率)はｇ（経済成長率）を下回ったことはないし、今後もそうである。つまり資本を持つ者が絶対強く、富の格差は広がる一方である。

ただし、例外的に二度の世界対戦を経た1950−60年は、戦争による資本の激減により資本家の取り分が一時的に減り、また高成長期でもあったため、「がんばれば報われる」by『Always 3丁目の夕日』な雰囲気になった。しかし、歴史は無慈悲かな。結局のところ、国の経済成長は1％未満・資本収益率は4−5％で安定するという。そう、再び貧富の差が拡大しつつので〜す。

鈴木オートを踏み潰すゴジラ

特別編『ゴジラ×三丁目の夕日』（2007） - YouTube
Toshio Tejima
2018/05/02 に公開

「成果が出ないのは努力が足りないから」、「人は見てくれるもんだ」、「正社員なら安泰」、「結婚まだ？」、「子供作らないのはエゴ」…といった過去の価値観もゴジラの足跡とともに哀れ瓦礫と化すのであった。

で、長期的には上位10％の人に90％の富が集まる19世紀帝国主義時代の格差の再現となります。ちなみにディケンズでおなじみの19世紀はさらに極端で、トップ1％の国民が帝国の資本の60％を所有していましたとさ。

名作ディケンズ『オリバー！』 (1968)のおされリミックス

Wings For Dreamers - YouTube
Pogo
2019/06/14 に公開

とってもセンスよくて、ノレます。正統派ミュージカル好きだけど、まったりしてるのが信条。でも、こういうふうにもできるんだね。アボガドの天ぷら、お出しで食べるといいよね。みたいな新しさ。

現在最もかつて資本構造に近づきつつある国がアメリカであり、2030年にはトップ10％が総所得の60％を握ると予想されます。（1950年代にはトップ10％の所得シェアは25％程度だった。）ちなみにアメリカの芸能人やスポーツ選手は随分金持ちに見えますが、彼らはトップ0.1％のスーパーリッチその、ほんの5％に過ぎず、その殆どは会社経営者です。

例えばヒルトン・グループの令嬢とか〜

パリス・ヒルトン、50万円分のサングラスをさくっとセレブ買い！ - YouTube
FRONTROW
2017/03/13 に公開

パリスにとって高級眼鏡なんて、まじ100均の買い物でしょう。100円の洗濯バサミ買う時真剣に迷う人まずいない、そんな感じでしょう。いや、資産比率から言うと、１円くらいかもね。

札束配りまくるMVを出したラッパーもいました

この現実をどう生きるか？

ぶっちゃけ、労働では絶対に今より豊かになれないのでーす。つまり、働けど働けど楽にならざりし、じっと手の中のスマホを観る。ついでの踊る。こんな現実ですかね。

でも、監修の山形氏は漫画のあとがきでこう語っています。

ピケティが売れて…r>gなんだから真面目に働くなんて馬鹿らしい、みんなも資本を持とう、投資をしよう、株やFXや不動産がお勧め〜、といった話が乱舞して、訳者としては倒れそうになること仕切り。でもそんなリスクを背負い込むべきか、というのは全然別の話。ピケティの話はあくまで、社会経済全体としての平均の話。そして時間的にも数十年の平均の話だ。容易に目先の儲け話に乗って、とにかく資本を持てばいい、などという話じゃない。

　自分にできることを堅実に考え、その中で自分なりの資本と労働のバランスを構築するーーそれをどう考えるかが重要だ。…別に起業するのが誰にとってもいいというわけではない。そのバランスは人それぞれなんだから。（下線 tokyocabin)

はい、そのとおりだと思います。いきなりみんなスーパーブロガーや、YouTuberになれるわけでもないしさ。