【作詞tokyocabin】Japanese Wing Chun -Chris Lee 日本語版「詠春」クリス・リー『イップ・マン4』

   

『イップ・マン4』の使用曲、クリス・リーさんの歌う『詠春』。珍しく女性(イップ・マンの奥さん)の視点を使った美しくも悲しい曲です。台湾の誇る名作詞家・方文山氏の華麗なる歌詞をそのまま日本語にすると、到底歌えない長さになってしまうため、かなり大胆に意訳しました。歌は、『イップ・マンの歌』でご好評いただいている亜沙美さんです。

Wing Chun, the song for Ip Man 4, sung by Chris Lee. It is a beautiful and sad song that unusually uses a woman's (Ip Man's wife) point of view. The brilliant lyrics by Fang Wenshan, a famous lyricist who is the pride of Taiwan, would be too long to be sung in Japanese as it is, so we translated the lyrics quite boldly into Japanese. The vocalist is Asami, who has already received favorable reviews for "Ip Man's Song.

【作詞tokyocabin】Japanese Wing Chun -Chris Lee 日本語版「詠春」クリス・リー『イップ・マン4』

https://youtu.be/SSNsutr0Mos

日本語版「詠春」の歌詞

あなた待つ  独り寝(ね)の夜 月の蒼(あお)さよ
義(ぎ)のために 向かう彼(か)の眼に 曇りは無くて

詠春の道は 影 の如く
離(はな)ることない あなたの 宿命(さだめ)

愛に 溺れないことを 誓って 出発(た)ったあなた
その 後ろ姿 遠く 小さく消えた
(間奏)

夕霧に 流る笛の音(ね) 掠(かす)れて 寂し
月映す 河面(かわも)に拾う ため息幾つ

ふと起きる 疾風(かぜ)に 竹林(たけ)の騒ぐ  
深夜 切り出す あなたの 覚悟(ことば)

ああ、一筋の道を 行く それがあなた 
伝説の人を 愛す 女の物語(はなし)

だから(早めに入る) 旅立つ 私を どうか許して あなた
せめて(早めに) 最後にわがまま 言わせて 欲しい

そして 無敵の男と 他人(ひと)は 語るの 

English Translation of Japanese "Wing Chun" Song (unsingable)

I

I sleep alone, waiting for you, watching the blue moon
He left home for righteousness with unclouded eyes 

The path of Wing Chun is like a shadow of you 
It never parts from you, as your destiny

You departed, vowing not to be consumed with love for me
Your back looks so far away, small, and disappeared

(Interlude)

The sound of the wooden flute in the evening mist is hoarse and lonely
I count my sighs on the moon reflected on the river

Suddenly a wind rises, and bamboos rustle 
At midnight, he speaks of words of determination

Ah, you pursue a stretch of road, that's you. 
A tale of a woman who loves a man of legend 

So please forgive me as I depart, my love
Let me at least be selfish in the end

And people will call you a man of invincibleness

「詠春」クリス・リー Wing Chun by Chris Lee 2019 cabin & DeepL訳

https://youtu.be/GmTpEF1avM0

Wing Chun (Theme Song from Movie "Ip Man 4")
261,740 回視聴•2019/12/19 Chris Lee - トピック チャンネル登録者数 541人 

Provided to YouTube by WM China Vocals: Chris Lee
Arranger: Jeff Chan, Writer: Kenji Kawai,  Lyricist: Vincent Fang

Chinese Singer: Li Yu Chun 李宇春 Chris Lee
Chinese Composer: Chen Qin Yang 陈沁扬
Chinese Lyrics: Fang Wen Shan 方文山

もとの言い方が伝わりやすいよう、わりと直訳調で訳してます。

1番
Theme

红 尘*等 相 遇
浮世は赤茶けた埃のようにせわしなく
等 来 爱 恨 在 对 戏
愛と憎しみの劇中劇は絶えない
谁 在 谁 的 回 忆 里
心に浮かぶはあの人

Theme
江 湖 *迎 风 雨
嵐と荒れる武人たち
我 朝 恩 怨 走 过 去
怒りと共に去ったわたし
你 却 不 在 结 局 里
あなたは最後まで追って来なかった

Pre Chorus
断 垣 残 壁 枯 井
朽ちた壁、枯れた井戸
咏 春 如 影 随 行
詠春拳はあなたを追う影
风 声 萧 萧 继 续
風は吹き
鱼 雁 往 返 消 息
雁が戻るというのに

Chorus
你 说 让 誓 言 纯 净 如 琉 璃*
あなたは瑠璃のように純粋な誓いを立てた
为 爱 不 染 尘 的 勇 气
愛に溺れない勇気を持つと
将 你 写 入 这 章 回 小 说 里
小説の一章にあなたを書くわ
永 不 老 去 的 爱 你
あなたを愛すわたしは年を取らないの

間奏

2番

Theme

初 秋 寻 牧 笛
初秋、牧場の笛の音を聴こえる
寻 来 愁 绪 添 几 笔
またも流れる不穏な噂
笛 声 轻 落 在 梦 里
夢の中、笛の音を微かに聴いた

Theme

明 月 映 河 堤
川岸を照らす月
粼 粼 波 光 几 华 里
何里も光の波が連なる
你 的 叹 息 落 哪 里
あなたのため息はどこに落ちているの?

Pre Chorus

丝 竹 之 音 聆 听
竹林が風に騒ぎ
远 方 谁 在 弹 琴
何処からか琴の音
夜 半 几 许 孤 寂
真夜中の孤独
只 为 等 你 一 句
あなたの言葉を待つわたし

Chorus
你 说 让 誓 言 纯 净 如 琉 璃
あなたは青い瑠璃のように純粋な誓いを立てた
为 爱 不 染 尘 的 勇 气
愛に溺れない勇気を持つと
将 你 写 入 这 章 回 小 说 里
小説の一章にあなたに捧げるわ
永 不 老 去 的 爱 你
あなたを愛すわたしは年を取らないの

Chorus

你 说 让 誓 言 纯 净 如 琉 璃
あなたは青い瑠璃のように純粋な誓いを立てた
此 生 不 该 与 缘 分 为 敌
今生は運命に従いましょう
如 你 默 许 这 短 暂 的 别 离
いましばしの別れを許せたら
只 要 最 终 是 美 丽
美しいエンディングよね

Chorus
而 我 是 他 们
そしてわたしも周りとおなじように
口 中 的 传 奇
あなたを伝説と呼ぶの
不 败 立 于 这 天 地
地上で無敗の男と

Yong Chun 咏春 Lyrics 歌詞 With Pinyin By Li Yu Chun 李宇春 Chris Lee | Chinese Song

最初は上記の英語を参照してましたが…全然あてにはなりません。というか、全然違う~!けっきょく、DeepLと”類推”で訳しておりますが、いい線な気がします。<<と香港の方に言われたのでこれで良しとします。

そもそもこの歌にここまで執着する人間もいないと思う。(←その一点にのみ非常に自信あり。)

*最初の「赤い埃」(红 尘 )は、香港出身の方(オーストラリア在住)にお聞きしたところ、わずらわしい「世事」や「浮世」の意味(古くからある言い方)だそうです。
*江湖(ごうこ)とは中国文学用語 - 武俠小説における特定世界。
*瑠璃(ラピスラズリ)は青い貴石で、「尊厳・崇高」の意味です。それに「愛に溺れない」と誓ったのですから、つまり妻(女)よりも詠春拳(道)という崇高な目標を選んだ、という意味でしょう。

実際の葉問は…どうやら奥さん以外の女性の影があったようですが…。いいんです。それはそれで。

感想

やっぱり、方文山(ファング・ウェンシャン)の歌詞はすごいです。時間軸とスケールが…。そんなの日本語では字数食っちゃうから無理だよ…とも思うのですが、方向性だけでも参考に勉強させていただきたいと思いました。イメージの世界が本当に素敵です。←語彙が…。

最初「赤い埃」って共産主義と関係あるの?とか、瑠璃ってなんで出てくんの?スピリチャル系?とか、河とか竹とか、なにそれ水墨画?って感じでまったく意味が分からない歌詞、だと思ってました。とくに「小説に書く」ってのが、なんなの?って思ったんですが、今思うと、”生身の人間”としての葉問を愛した女が、詠春拳の名人という”伝説”(イメージ)に持つ複雑な感情を描いている歌詞なのですね。夫が伝説なら、それを自分で筆を執って小説にしてやろうじゃないの!って逆襲の視点、なのではないでしょうか。だから後半「美しいエンディングよね」とか、ちょっと離れた視点です。だから「伝説」って私も呼んであげるわよ、って感じで。面白いです!
それに比べて…自分が作った「詠春」の歌詞が、演歌かよ!ってくらい、あまりにもベタなので反省しております。方文山(ファング・ウェンシャン)先生(私淑させてください)、ありがとうございました。(正座)

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