『ゴーマニズム宣言 天皇論』(小林よしのり)で、天皇について学ぶってことで、よろしくて?

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1 はじめに…

 

天皇についての
モヤモヤが
ちょっとと
すっきりします。
日本人である
自分についての
モヤモヤもね。

 

 

2 小林よしのりって誰?

 

その昔、『おぼっちゃまくん』
という漫画が大ヒットしました。
「ともだち○こ」というギャグが
PTAをナーバスにさせた
今思うと実に
のどかな時代。

 

3 何が書いてあるの?


天皇の存在は
日本の「国体」にとって極めて
重要である。
天皇こそ日本という国のかたちを
まとめているのである。

かといって
神格化しているのではない。
天皇とは
日本のために
「祭祀を司る王」
である。

ということです。

 

4 一押しする理由!

 

天皇の立場について
本質的なことが
分かりやすく書いてあります。

こんな大切なことなのに、
新聞でもテレビでも
タブー視されていたり
歪んだ歴史観によって
ちゃんと説明されていないのは
非常に問題です。

天皇について知りたいけれど、
難しい本は手が出にくい
という方におすすめします。

漫画とはいえ、
(この枕詞意味ないと思いますが)
並のドキュメントなど
相手にならない内容の濃さで
多方面から掘り下げて
書いています。

安心してください。
決してウヨク的な
プロパガンダ漫画
ではありません。

(告白すると、
わたしは
そのように警戒して
何十年も読んでこなかった
のです)

小林氏自身が、
天皇に批判的な立場から
スタートし、
理性的に
(時に感性で)
理解を深めていった
軌跡が描かれています。

巻末の参考文献だけでも
100近くあり、
これは
レジェンド元知事の
『ミカドの肖像』を
超えている(と記憶する)。

最後に、
皇室の方々の
似顔絵漫画が
クリソツ、クリクリ〜。

 

5 では、三ヶ所ほど読んでみましょう

 

p.18

「君が代」の原歌(もとうた)は、
古代にまでさかのぼるが、
初見は延喜5(905)年、
醍醐天皇の勅命で撰進された
『古今和歌集』である。

わが君は 千代にましませ
さざれ石の いはほとなりて
苔のむすまで

これは『古今和歌集』の
「賀歌(がのうた)』に、
「よみ人しらず」
で出てくる。
賀歌とは長寿を祈る歌だ。

「わが君」は
「天皇」という意味ではない。
自分にとっての
敬愛すべき相手だ。

「わが君は」は
「君が代は」に、
「千代にましませ」は
「千代に八千代に」に
変化しながら、
庶民が個人個人の敬愛
する人の長寿を祈って、
一千年の永きにわたって
この賀歌を伝えてきたのだ。

イギリス人の軍楽長の
…「国家を作るべきだ」という
助言によって、
…薩摩藩の砲兵隊長・
大山巌が…
自分が愛唱していた
「君が代を」選んだという。

 

小学校の時の
すごく美人な音楽の先生に

「君が代」の「君」は
「あなた」という意味なので、
この歌は
ラブレターの歌です。

といって教えられたのですが、
あながちハズレでも
なかったんですね。


p.114

国民とは、単に
日本列島に生息する
霊長類ヒト科の
動物のことではない。

国の歴史を受け継いで
初めてヒトは「国民」
になる。
国の歴史が消滅してしまったら
「国民」もなにもないのだ。

昭和天皇が「三種の神器」を
守ろとしたのは、
自分の命なんかとは
比べ物に
ならないほど重要な、
二千年継承されてきた歴史を
守ろうとしたのであり、
国を守ることそのものだった。

これを当時、
「国体護持」といった。

それは国家元首としても、
祭祀王としても、
当然の使命だったのである。

 

p.323に
「もし日本が侵略されたら?」
と聞かれて
「攻めてきたら
その時はおとなしく
ころされちゃえば
いいじゃないですか」と
某経済評論家が答えている
と描かれている。

漫画を見る限り、
その評論家は
ライザップで痩せた
B級博物館館長であろう。

東大出たこの氏は、
国としての体を維持することの
重要性を認識してないとしたら
おめでたすぎる。
おとなしく牛丼
喰ってなさい。

だって占領されたら、
生殺与奪はもとより、
明日から
統治者の言葉
(英語、ロシア語、中国語
などを想定』
しゃべれない奴は
全否定されるんだよ。

戦争に負けたからといって
日本がなくなるなんて
ナンセンス。
そんな無理難題を
突きつけられ
ギリギリのところで
連合軍を突っぱねたから
今の日本が存在している。
神社も日本語もある。

昔は
「一方的に戦争を
仕掛けた日本は
テンノウに支配された
狂った帝国であり
全面的に反省すべき」
という
自虐史観で
思考停止に
陥っていたあまり、
この辺のことは
考えたことが
ありませんでした。

 

p.115

わしの身近な年配者で、
戦前は天皇を神だと
思っていたという者は
だれもいない。

ところが…
戦後のマスコミや
左派知識人はこう言ってきた。

戦前の天皇は「神」として
君臨していた。

天皇の名において
戦争したのだから、
天皇に戦争責任がある。

天皇は戦後、人間になった。

しかしどうやら
上のように言う
左派知識人の人たちは
「少国民世代」の
人たちなのだと、気づいた。

…実を言うと、
天皇を心底「神」と
思い込んでいたのは
「少国民世代」だけ
なのだ。

…小学校教科書
(当時は国定教科書
一種類のみ)に
天皇を「神」とまで
仰ぎ奉る記述が現れたのは、
昭和14(1939)年から
終戦までのの
わずか6年余に過ぎず、
そのような教育を
受けたのは
「少国民世代」
だけだったのだ!

 


田原総一朗、筑紫哲也、
大江健三郎、本多勝一、
大島渚、井上ひさしなど、
少国民世代は、
かなり特殊な教育を受けた
世代ということです。

いわゆる
戦中派ともいいますよね。
朝日新聞が好きで
天皇はキライ、
神仏は迷信、
戦後民主主義万歳、
憲法9条は人類の宝、
攻めなければ
攻撃されるはずはない
…。

こうした彼らに
共通する考えも
環境によるものなのだなと
冷静になることが
できました。

小津安二郎の映画を観ると、
どうもこの小国民世代と
違う考え(センス)な
感じがして
違和感があったのですが、
腑に落ちました。

 

6 関連書など

 

『『ゴーマニズム宣言 台湾論』(小林よしのり)

 

 

7 最後に

 

天皇の本質というテーマに
ここまで読みやすく
切り込んだ本は
ないと思います。

8月15日近くになると
NHKで加古隆のテーマ曲を聴いて
白黒映像見て、
なにかをわかった雰囲気
になるより
はるかに有用かと思います。