資料◆おパリと言えば思い浮かべる曲、それがミュゼット。そしてZaz(ザーズ)への流れ

   

疑問:いわゆるフランスといって思い浮かべるアコーディオン曲はなんで三拍子なのか?
だれも一発で答えてくれないので自分で導き出してみました。

「パリの空の下」エンリケ・ウガルテ 

https://youtu.be/Q8aghK5dlMY

Wenn Mademoiselle dich kusst
2,810 回視聴2015/02/09

エンリケ・ウガルテ - トピック
チャンネル登録者数 224人
Provided to YouTube by NAXOS of America

Wenn Mademoiselle dich kusst · Enrique Ugarte

Enrique Ugarte: Valse Musette De Paris

さすがうまいですね。ポピュラーなこの曲、BGMでさんざん聴きましたが、アコーディオンの世界最高峰エンリケ・ウガルテ氏の演奏は、音が澄み切っていながらも温かい抒情をたっぷり含んでいます。いわば…「やわらかな宝石」?←何が言いたいんだよ。

お気に召した方はこちらもどうぞ…。めっきり涼しくなった今の季節にピッタリですなぁ…。

アコーディオン名曲集 (1) カフェ ・パリ(エンリケ・ウガルテ 他名人)

https://youtu.be/MGgtoqIuf74

6,605 回視聴2019/12/01Baitingbuyan
アコーディオン名曲集  (1) カフェ ・パリ
01 Bourrasque
02 Monsieur Baudoin Java
03 Brise napolitaine
04 Reine de Musette
05 Chiloe Musette
06 Valse Yvonne
07 Entre Paris et Buenos Aires
08 Musette in Minor
09 Bon voyage
10 L'Accordeon triste
11 Petite fleur
12 Pigalle

なんで、こういうパリの曲って「ぶんちゃっちゃっ」って3拍子なの?

これについて調べてみました。

ミュゼット、それはパリっ子の音楽!

答:20世紀に出会ったアコーディオンとのワルツ

三拍子と言えばワルツです。インターネットでワルツの歴史を調べると、ほとんどはWikiから引っ張ってきてるのが見え見えで笑っちゃういます。まとめるとこんな感じです。

13世紀ごろ 南ドイツでヴェラーという男女がくっついてくるくる回る”汚らわしい”ダンスが誕生

18世紀 そんなやばいダンススタイルが、ハプスブルク家の治めるオーストリアで解禁・大流行
19世紀 ナポレオン戦争の事後処理を決めるウィーン会議で、ワルツは一気に全欧州でブレイク
純粋音楽としても発展。南米などにも波及

一方、アコーディオンの発祥は諸説あるがやはり19世紀に現在の形が生まれている!

素人でも簡単に(ほんと?)旋律と和音伴奏が弾ける「貧乏人のピアノ」は…携帯が便利なこともあり、船乗りや移民、行商人、宣教師、軍人、旅芸人など、多くの人々がアコーディオンを持参して各地を旅し、この楽器を世界に広めた。

いい楽器だなぁ…。

で、そんな親しみやすい楽器アコーディオンで、流行りのワルツをやらないわけがない!

その結果生まれたのが
20世紀 パリの下町で”ミュゼット”音楽誕生

都市化が進み出稼ぎ労働者が増えたパリで、オーベルニュ人がバグパイプを、イタリア人がアコーディオンを持ち寄ってバル(酒場)で演奏したダンス音楽が「ル・バル・ア・ラ・ミュゼット」(Le bal a la musette)、つまり「ミュゼット」となったのです。詳しくは以下をお読みください。

いかにも庶民的なミュゼットの集い

Brise napolitaine (valse musette) - YouTube

Brise napolitaine (valse musette)
277,125 回視聴2009/10/21Michoko Michoko
チャンネル登録者数 820人
Un petit bal musette, un dimanche après midi à la campagne. C'est pas le bord de Marne, c'est les garrigues. Une petite cour dans un atelier de luthier. Que du bonheur.

日曜日の午後、田舎で行われた小さなミュゼットボール。マルヌ川のほとりではなく、駐屯地です。ヴァイオリンメーカーの工房にある小さな中庭。なんて幸せなんだろう。

いいなあ、これ‼ 
わたしは日本は大好きだし特に不満はないのですが、あるとしたらこういうフランクに自然に踊る場所がないってことだよね~。わたしは会社の同僚とか、義父さんとか、山田孝之似の実弟とか、友達とか、そういう普通の関係者と、なんとなくわいわい踊ってみたいんだ。お遊戯とか、盆踊りとか、発表会とか、ではなくね。”振り付け”でなくて、”ノリ”のダンス。(だからムンバイの仕事の打ち上げで2時間ずっとスタッフと踊ったのが、人生での幸せモーメント・ベストスリーである。→そしてその後すぐ、クビになる。)

【フランス語】パリの空の下 (Sous le ciel de Paris) (日本語字幕)

https://youtu.be/utOEvlXehHk

223,876 回視聴2017/01/16MsLijeBailey
チャンネル登録者数 1.3万人
TVの旅行番組などで「パリ」が出てくるとイメージ曲のように流されることも多い歌。ドレジャック(J. A. Dréjac)作詞、ユベール・ジロー(Hubert Giraud)作曲により作られ、1951年のフランス映画『巴里の空の下セーヌは流れる(Sous le Ciel de Paris)』の挿入歌として、オリジナル版はリーヌ・ルノー(Line Renaud)により歌われました。映像はフランスのシャンソン歌手、ジュリエット・グレコ(Juliette Gréco)の歌による、1960年代頃のPV。

これ、意味がよくわかってとってもいい。この歌はほんとう、パリっ子のパリ愛そのもの歌だということがよくわかる。

Zazの歌はミュゼットの流れ

https://youtu.be/lWIhYWJsdB0

Zaz à Montmartre Les passants
461,790 回視聴2014/03/03  CrazydeBarcelona
チャンネル登録者数 1.34万人

Zazのこの感じはあきらかにミュゼットです。ただ、古典的なものではなく、進化しています。時代の変化に対する柔軟な姿勢、これまたミュゼットっぽいと言えばそんな気もします。
下のNHK番組の説明で分かったのですが、上記動画は2010年ブレイク前のパフォーマンスですね。

NHKBSプレミアムAmazing Voiceの第1回がZaz様だった…

https://youtu.be/AoA2tj4zx5E

AMAZING VOICE FRANCE ZAZ TS HQ 
25,577 回視聴2016/02/24 tokyo kurosaki
チャンネル登録者数 3340人
AMAZING VOICE FRANCE ZAZ TS HQ
マジ勉強になる興味深い動画。2011年放送だとおもう。10年前なんでYouTubeまだ今みたいにはやってなかったよね。まだスマホでなかったよね。今はYouTubeがストリートみたいなもんだから、状況がかなり違う。他のサイトで観たけど、フランスのパフォーマンスは許可制。わたしもこの動画より前に一度行ったとき、地下鉄構内のしかもわりと細い通路でドラムス叩いてるのに結構驚いた。当時は今よりそういうの盛んだったんじゃないかな。いまはYouTubeあるからね。

Zazって365日毎日モンマルトルの通りで歌ってたの?? これは筋金入りだわ!声が響く場所を選んでいるとはいえ、マイクなしというのもすごい。

ストリートの前は4年間、歴史あるカフェ「トロワマイエ」でシャンソンエディット・ピアフ)を歌う。修行しっかり。

…と思ってたら地下鉄が出てきた。すげえ…あれ、話がZazからずれてく…。しかも
「CD無くてもいい…悲しい」とか言ってるし。

そして…最後はストリートとメジャーの違い。2010年のシャンソンコンテスト優勝から、賞を総なめして、スターにのし上がったZaz。でも、比べると、わたしはやっぱりストリートの歌の方が好きだし、今の彼女のYouTubeでもストリートっぽい曲が好きかな。

後半の「バラ色の人生」はすっごいかわいい(動画当時31歳)。荒っぽいところがチャーミング。
やっぱ一番最後の「君の夢」は最高だな! 歌詞が少年みたいな彼女に合っててすごい素敵猫ちゃんなかけ声や、ウッドベースひっかくようなアクションも可愛い。

「君の夢」 歌詞

A

ねえ、どう思う?月曜日を変えてみよう
そうすれば欲張らない 勇気が湧いてくるだろう

A
木曜日になって間違っていたと気づいても
土曜日にはやり直せる元気が出るよ

B
あきらめる理由があっても
予定と違っていても 君は必ず立ち直るさ

B
黙ったまま夢に向かって
君は未来を描きながら輝くだろう

 

業務連絡:以上参考資料でした!

あくまで参考でーす。(というか自分の興味本位のメモです。)
今後ともよろしくお願いいたしまーーす。(続きの曲を準備中です)

以上の流れから、シンガポールという現代の船乗りの街最高峰の都市で、マレー系と中華系のストリートパフォーマージブリ曲をやる場合、やっぱりミュゼット風のミックス感、あるよね~って、そこにわたしはとっても魅力を感じたのです。そして、左の彼ダニーは非常に性格良くて、Niceeeeeeeeee! 

A Town with an Ocean View by Durrani Kamaruddin

https://youtu.be/e_jCNvvv5Ys

A town with an ocean view - Accordian & Guitar (Kiki's Delivery Service)
1,900 回視聴2019/10/08 Durrani Kamaruddin
チャンネル登録者数 33人 Studio Ghibli soundtrack
Accordian: Durrani 
Guitar: Geryl

このミュゼットのミックス感をさらにパワーアップしていくと、バンドネオンピアソラに行くと思います。それはまた別途。

業務連絡、終わります。

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tokyocabin