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似非ミニマリストのキャビン

ドニー・イェンをベースに世相を斬る!ことは可能なのでしょうか?

『野武士のグルメ(増量新装版)』(久住昌之)で風邪を治す 

(5分で読めます)

 

1 はじめに…

ドラマ化して大ヒットの漫画『孤独のグルメ』。

同じ作者のエッセイが『野武士のグルメ』です。

実は期待してなかったんですが

かなり面白かったです。

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 2 久住昌幸って誰?

「ガロ」出身の漫画家、

孤独のグルメ』の作者です。

 

テレビ東京のドラマで好評の『孤独のグルメ』は

昨年中国版もリリースされ人気を博しています。

 

実はわたしは、2年前に台湾に行く前は

孤独のグルメ』そのものをを知りませんでした。

台湾旅行から帰ってきて

あまりにも面白かった台湾旅行を振り返るため

ネットで台湾情報を渉猟していたところ、

ドラマ『孤独のグルメ・台湾出張編』に遭遇し、

その後漫画を知りました。

 

でも作者の久住昌之氏自身は

ガロの頃から知っており

なかななマニアックな作家さんだな〜と

陰ながら気にしておりました。

 

3 何が書いてあるの?

フツーの「まちの食堂」で一人で飯を喰う。

その時の心模様です。

 

なんで「野武士」なのか?

 

小心者の作者にとって、

「ハラが減ったからメシを喰う」理想の姿

=「野武士」なのだそうです。

 

ガラっと引き戸を開け、

ガシャっと刀を置き、

「オヤジ、飯だ」

「酒持って来い」

と怒鳴る。

 

この理想の姿「野武士」と

実際のギャップを綴ったものが

この『野武士のグルメ』なのです。

 

4 イチオシする理由!

『野武士のグルメ』は

期待せずに読むと、

かなりいい感じのエッセイです。

 

この「期待せずに読む」というのが

ポイント。

 

なぜならこの本自体、

食堂への愛・期待へのギャップそのもの

を愛する個人的グルメ体験記

だから。

 

人間は期待する動物です。

だから裏切られる。

でも、期待しないならしないで

それも裏切られる。

裏切られ続けることに臆さない。

むしろ裏切り続けられる現実そのものを愛し、愛でる。

 

その潔さが

作者の考えるところの「野武士」なんじゃないでしょうか?

 

ジタバタしない。

このあたりが、

読んでてすごくラク〜になる秘密でしょう。

 

忙しくてB級グルメにさえ行けない!

という人に特におすすめします。

 

 5 では、三ヶ所ほど読んでみましょう

p.17

というわけで、野武士に憧れる。

 そして野武士をイイ気分にさせる飯屋に憧れる。

 カマスの干物を七輪で炙って、カブの味噌汁と丼飯を出すだけのような店。

 そういう、野武士の似合う店に、入りたい。

 そう思って、ボクは知らない街を、右往左往してしまうのだ。

純粋でストイックな求道者。

まさに、孤独な野武士の姿です。

 

そんな彼はグルメのミニマリストと言えるでしょう。

p.88

 質素でおいしい旅館の朝ごはんに当たると、ジーンとくる。

 

ごはん。

焼きのり。

梅干し。

アジの干物の焼きたてのもの。

大根おろし。

ひじきと油揚げの煮物。

自家製タクワン。

わさび漬けあるいは塩辛少し。

暑い豆腐とネギの味噌汁。

 

異議なし。

トリュフ仕立ての何たかかんたらとか、

ウニソースのフランス風まるまるとか、

すごく虚しい。

高い=旨い、は幻想。

高い=旨い、と思わないと損をする

というヴェブレン効果でしょ。

だからわたしは

テレビの『ゴチになります!』とか大嫌い。

 

さて、ことさら印象が強かったのは

「風邪を引きそうなとときに食べるタンメン」の描写。

 

似非ミニマリストのわたしは

基本風邪は薬ではなく

生姜入鶏スープ、

もしくカレーで治す、

というポリシーでしたが、

この本を読んで以来、

「風邪を引きそうなときにタンメンをくらう」

ことを熱望しています。

 

でも、そう思った途端なかなか風邪を引かず、

さては心にインプトッされた

「野武士のタンメン」が作用し、

その効果で体温が上がって

ウィルスに効いているのではないかと…。

 

p.152

 栄養のある、体があたたまる、水分のあるもの。

 タンメンだ。

 

タンメン、と思いつた自分をエライと思った。

 麺で野菜が見えない。

 コショウをバンバンふりかける。

 野菜をスープに浸すようにしてから取り上げ、ふうふう吹いて、

湯気をまき散らして口に入れる。熱い。でもウマイ。

塩味のスープの旨味がまとわりついたモヤシがうまい。 

 ああそうだ、この体はこれを求めていた。正解。大正解。

 

風邪を引いたら

早めのパxロンよりタンメンですね。

 

一方、ドラマで井之頭五郎役の松重豊氏は、

 

 風邪引いたら、

山盛りのレバニラと、

餃子と大盛りライス、

喰っときゃ治るし。

松重豊 公式ブログ「修行が足りませぬ」 powered by ココログ: 新橋飯店



とおっしゃってます。

 

 

6 関連書など

 なし。

 

孤独のグルメ』(漫画)の中国語版が欲しいのですが、

未入手です。

 

7 最後に 

漫画の絵や松重豊さんの演技の印象が強い

孤独のグルメ』ですが、

この本を読むと作者の久住昌之氏が

卓越したエッセイストであることが分かります。

 

漫画とは違った味わいが楽しめますよ。

くれぐれも「期待しないで」「野武士の如く」

お楽しみください。